シーナ

ブロロローム♀ わんぱく/おっちょこちょい
21歳 一人称:ウチ 165cm(靴底込みだと+15cmくらい)

「ニャハハ!オメーおもしれーやん!ウチとも〜っと、仲良うなろ?」
「さてはアンチやなオメー?ええわ、アンチやったの後悔するくらい、ウチの事好きにさせたるから」


落ち着いたビオの中でもひときわ目立つ女の子。声もリアクションもとにかく大きく、独特の訛りもあるため、居るとすぐわかりやすい。つい口調にドスが効いてしまい威圧的な雰囲気があるが(実際無意識に威圧している事も少なくない)誰に対しても人当たりがよい、或いは不快に感じても基本的に表には出さない。

「芸術カレッジ」の2年生で金属工芸の専攻。本当は趣味だった絵を専攻としたかったが他の学生達に敵わず、併願でかつ元々馴染みのあった現在の専攻に進んだ。日用品等を課題で制作している他、自らを「ビオのカラクリ担当」と称して機材や謎の芸術品等も勝手に作っている。

他の2年生よりも年上だが、浪人した訳ではなく「やりたいこと、わからんくなってもうた」の空白の1年間があったらしい。

SNSでは「CNAシーナ」名義で二次創作イラストや漫画、切れのある咳き等投稿して人気であり、以前からちょっとしたインフルエンサーでもあった。推しの話等々ですぐ止まらなくなってしまう筋金入りのオタク。最近は学費と推し活と趣味で出費が厳しいため、ビオの活動に加えて個人的な請負仕事やアルバイト等でほぼ予定を詰めており、なかなか暇になれないという。

最近ではカルカサス(かるかん)の面倒をビオ内・学生生活双方で見つつ仲良くしている様子。かるかんの毒化粧回収もお手の物。美味らしい。

ジューンから苦手意識を持たれていたが、すっかり絆されたような彼を「おもしれ一犬」と呼んで可愛がって……?おり、わかりにくいがかれこれ1年以上は付き合っている関係。彼の姉・ホウからは「いじめられていないかしら」と心配されている様子だが、ビオのファン達からは大方面白いコンビとして一定の人気を得ている。

シーナはパルデア東地区で生まれ育った。両親は元々ナッペ山の出身だったがシーナが生まれる前に仕事の都合で引っ越し、シーナの上には姉たちがいる。実はこう見えて末っ子。
幼い頃から走るのもお出かけも、オシャレもオタクするのも大好きだった彼女は、何でも揃う都会ハッコウシティから掘り出し物の聖地(?)ピケタウンまでその脚で駆け回るタフな女の子だった。

とにかく走りと体力に自信のあったシーナは地元でよく開催されていたレース競技に憧れ、自分もいつか一番速うなる!と意気込み、ジュニアのレーサーとしての活動を始めた。もっと速く、ライバルに勝てるように練習やトレーニングを重ねた実力はぐんぐん伸び、女の子のレーサーが当時少なかったことや容姿の可愛らしさ等が話題を寄せ、ローカルな有名人でインフルエンサーとして東エリアを中心にその名を知らしめていた。
しかし年を経るにつれて努力だけでは超えられない「プロ」やそれを目指すものとの才能の壁に悩まされることとなり、タイムも縮められず、その焦りや不安でさらに走れず……の悪循環に陥ってしまった。性格もどこか投げやりで他人に敵意を向けたものとなりがちで、同世代の子達や元々シーナの人気を妬んでいたライバルから尾ひれの付いた噂や悪口も広められ、地元でも孤立するようになった。レーサーとしての限界や歪んだ自分の像が勝手に拡散されることにとうとう嫌気が差し、シーナは昔からの夢だった「一番速く走ること」を完全に捨て、諦めた。
SNSでは多くのファンが付いており、また地元のレースで彼女の走りや「シーナ」というレーサーそのものに憧れる人はいたものの、嫌なものが立ちはだかりすぎて、当時の彼女はその存在に目を向けることができなかった。

以降は、一体何をして生きればいいのかわからなくなってしまった。その頃の年齢は18歳で、ちょうどカレッジへ進学する一般的な年齢だったのだが「今更何を勉強したいかとか、わからん」とスルーし、食いつなぎのバイトを転々としてはSNS上で辛うじて好きな作品の話や絵を上げ、ふらふらとアテもない日々を送っていた。地元の産業を継ぐ話や嫁入り等色々と話も上がったようだが、選択肢の何もかもが当時のシーナには全く魅力的ではなく……
元々の注目度や容姿からシーナを彼女にしたいと寄って来る男も少なくなく、実際何人かは交際の申し出に乗ってみたが、結局自分を側に置くことのステータス的な価値が目的だったりいざとなると下心が見え見えだったりと、地元の男なんて頼るもんやない……安心できる相手や場所はもうない、という気持ちが強くなった。

ボンヤリしながらふと、誰もいないピケの路上で好きなアニソンを口ずさんでいた時──誰もいないと思っていたはずが、当時ピケに滞在していた通りすがりの学生・ココドリと邂逅した。
出会ってすぐさま「すごくいい声してる」とココドリから熱い関心を向けられ、シーナは(アニソンを聴かれた恥ずかしさもあり)終始困惑していた。ココドリは声だけでシーナの性格や抱えてきた感情、迷いを見抜き、それを伝えると「今度、ピケでやってるライブ聴きに来てよ」と言い残し去っていった。
ココドリの言うライブは路上で簡易的なものだったが地元民が多く集まり、彼女の歌声の質はもとより、心や感情に直接響いてくるような感覚がシーナにとっては新鮮だった。ライブを聴き終えてからシーナは、かつて自分が目指したものの記憶を少し思い出したが、その記憶とともに湧いてきたのはこれまでのような喪失感ではなく、「まだ頑張りたい」という感情だった。
ココドリはなんとなく表情が明るく変わったシーナを見たのち、自身がカレッジの学生スターユニットのリーダーである事、シーナの持つ魅力的な容姿・身体能力・そして声を暗い感情で潰してしまうのは勿体ない事を告げた。さりげなくユニットの勧誘へ誘導しながら。

出会って間もない関係ながらも「歌聴かせてもろて、もう1回頑張りたいって思った」と素直に口に出し、シーナはココドリの勧誘に応えた……のはいいが、ロハもビオも基本的にはカレッジ生によるユニット(現在ではコトホギのような例外もいるが)。まずは何かしら入れそうなカレッジの受験準備から始めることに。
「走りの他に自信あるんは、趣味絵とかマンガやな」というそれだけの理由で実技試験の厳しい芸術カレッジへの進学を決め、第一志望は滑ったもののなんとか入学するには至った。
第一志望の学科に合格できなかったのもまあまあ挫折になりそうだったが、

「もう今度は、負け犬にならんって決めた」

と今できる全てに全力を注ぐと決意し、できなかったことは深く顧みないようになった。

……という経緯があるのだが、シーナはたいてい「深く語らない」主義ゆえ、バチバチ関係で埒が明かなくなったミーリアにしか身の上話はしていなかった。
彼の態度から察するに、ジューンにもどこかのタイミングで多少は話したと思われる。

かくして無事カレッジに入学したシーナは、彗星のごとくビオの新人スターとして活動を始めるや否や、「一時は活動が停滞したインフルエンサーのリバイバル」となったことも相まって一躍人気となった。元々のファン達も多くが歓喜し、シーナのライバルや彼女を嫌った人も相変わらずいたが、スターとしては「アンチよりファンが大事。むしろアンチだって骨抜きにして、ウチの大ファンにしたるわ」の心意気で活動に臨んでいる。

一気にファンを大切に思うようになった背景には心機一転ももちろんあるが、ビオ加入に際して当時のファンたちのメッセージに励まされたのが大きかった。当時はスランプに加えて嫌な事も多くて視野が狭くなっていたが、「自分を見て好きになってくれていた人がこんなにも居て、今もなお応援してくれているんやな」と気付き、嫌な気持ちや声よりも大切なもんがここにあるんや、と胸を張るようになった様子。自身の加入の1年後には昔からファンだったタンジェリンとも出会い、いっそう誇らしげにしている。

カレッジスターとしての主な活動内容は歌やトークの配信・番組出演の他、容姿を活かして撮影の仕事や各種レポ、また発信力の強さや創作活動に強いことからSNSやブログの運営、活動に必要なイラストや動画・デザインの制作、機械や小道具の制作等々非常に多岐にわたっている。やはりココドリに見初められたきっかけである「声」が魅力的で歌唱力も申し分なく、イェロンと並んで歌の配信が人気。サムネやPVの制作も大体シーナが請け負っており、もっと作れるようになりたいとやる気を燃やしている。
多芸で華やかなシーナはまさしく働く車の如く、毎日色々なところに引っ張りだこ。オフの日でも個人的なバイトや趣味その他でやはり各地を走り回っている。レースは辞めても、根の走り屋な所は全然変わっていない様子。


カレッジスターとしては華々しいスタートを飾ったシーナだったが、ビオの内部ではミーリアからは対抗意識をバチバチと向けられ、同学年のジューンとは普通に仲良くしてようとしていたつもりが自分の居ない所で「シーナは生理的に苦手っす」と零しているのを偶然聞いてしまった。
ミーリアの思考は自分もかつて似たものを抱えていたためなんとなく理解できるし、最悪腹を多少割ればなんとかなるとは思っていたが……ジューンに関しては知り合って間もないのに一方的に拒絶されていた事が純粋にショックだった。確かにウチが苦手な属性てんこ盛りなのはわかるけど……とは考えたものの──そして過去の弱い自分とはケジメが付いたように思っていたものの──有象無象のアンチならまだしも、日頃から見知っている相手からの否定的な感情は相当堪えるものがあった。
何事もなかったかのようにその日の活動を終え、ビオのメンバーにお疲れ様と挨拶を交わして自室に戻り、必死に堪えた感情を一人しばらく整理したのち、すっきりした様子で

「よし、あいつもアンチやな。ウチのこともよう知らんで。絶っっっっ対、わからせたるわ」

との考えに至ったという。それからは定期的にジューンに構っては少しでも会話を増やそうと試みる日々が続いた。いつの間にか思惑通りに彼が心を開き──それどころか惚れさせてしもうたわ、としたり顔で彼と付き合い始めたのだが、「思えば『あの時』から、ウチがジュンちゃんに感情揺さぶられっぱなしやったのかもなぁ」と時折しみじみ振り返っているらしい。
過去の経緯から男性に対しては意外と警戒心の強いシーナだったが、ジューンが心を開いてくれた様子は嘘偽りのない事実と確信して喜んでおり、すんなりと流れるように関係も進展して自分で自分に驚いていたそう。

あまりにジューンと一緒にいる上隠しもせずに彼の部屋まで遊びに行くため、交際関係に関してはカレッジスターらしからぬ「即バレ」を決めてしまったが、ミーリアからは「男女関係としてもファンが憧れ、好感を持てるような模範であること」を忘れずに、あなた達らしく付き合いなさいと言われている。
実際に模範的かはともかく、面白いコンビとしては人気(恋愛絡みの公表に離れてしまったファンも勿論おり、事実として受け止めてもいる)。

「プライベートな話」はテコでも漏らさない主義らしく、ジュンちゃんの事は具体的にどう思っているのか、二人きりで居る時はどうしているのか等々滅多に教えてくれないが──「ジューンと一緒に居ていつも楽しそうで、嬉しそう」という事は周りの仲間も皆感じ取っている。

ミーリア
ミーリア

シーナには一時期ライバル意識があったんだけど、あの時の私は敵意むき出しでチームワークもボロボロ、リーダーとしてもスターとしても恥ずかしい有様だったって彼女に教えられたわ。いつ見ても暴走車のようで胃が痛いけれど、それだけ刺激もたくさんあるわ。

カイリ
カイリ

シーナちゃんの元気に人を惹き付ける勢いの良さ、まさにカレッジスター向きでココドリさんもよくこんな子を見つけたと思う。あんな風になってみたいなあって、こっそりよく思ってるよ。……セクハラっぽいのは、ちょっとやめてほしいかな。

ジューン
ジューン

見ての通りって感じの奴……だと思ってたけど意外とそうでもなさそうで。ああ見えて恥ずかしがるから言わないけど、けっこう表に出してない部分も、ある。いっつもエンジン全開でうるせーし、でもオレにはあんな風になれないから、オレにない元気みたいなのを毎日貰ってる……かな。どうしても敵を作りやすいから、オレだけでもずっと味方でいてやりたい、と思ってる。……1回はオレも、シーナを傷つけたから……2回目はもう無しだ。

イェロン
イェロン

シーナは一応同学年なんだけど、ぼくがだいぶ歳下だからか雑に……あ、えっと……お姉ちゃんみたいに豪快に絡んでくれるよ。ぼくとシーナはココドリさんの歌唱トレーニングも乗り越えた同士で、ビオの配信のメイン担当を任されてる。いつもサムネや色んなものを作って貰ってるから、頭が上がらないんだ…………

カシル
カシル

ココドリが突然「すげー原石見つけたそー!」と嬉しそうに叫びながらシーナさんを連れてきた日が懐かしいですね。ビオでの活動は彼女のお陰で一気に華やかになりましたし、プライベートではコトホギと仲良くして下さっているのも感謝しています。とても。

カルカサス
カルカサス

シーナ たのしーな わたしのともだち♪

ココドリ
ココドリ

ピケで寂しそうに歌ってた子──それがめちゃくちゃいい声で、素人だったけどアタシは一発で「育ててえ」って思っちまった。それが今やあんなに驀進しちゃってさ……鋼属性らしく強気にしてるけど、中身はだいぶ繊細な子なんだよな。

タンジェリン
タンジェリン

シーナちゃん!!昔からずっと見てて、憧れで……スランプでレース辞めちゃったのほんと心配だったんだけど……カレッジで昔以上に活動してて良かった!りんりんもロハに入ったからカレッジスターの仲間で、緊張するけど同じ舞台に立てるのが嬉しいんだ~!!

ホウ
ホウ

あの子、いつもジューンに強引に絡んでる気がして……付き合ってるって事実がまずびっくりなんだけど、どうも信じがたくて。一緒にいるととにかく目につくし、何だか苦手なの。ジューンもきっと前はそうだったと思うんだけど、どうやって仲良くなれたのかしら……

灰さん宅デュラさん(オメー、デュラ)

ジュニアレーサー時代から自身の熱心なファンでいてくれた少女。現在のチームメンバーとともに「PAND◎RA」へ通うようになり、デュラさんと出会うやいなやとにかく自分を推してくれるちっちゃい(シーナ所感)同族さんに、初めましてとは思えないほどに可愛がる手が止まらなかった。

シーナ
シーナ

おう、デュラ!……ッへ、珍しくこのシーナ様が名前覚えとるの貴重やで~?んなことよりまたえらい仕上げとるやん?あんなイカツいバイクこんなかわええ女の子が乗っとるの、めっちゃアガるわ……メンテの仕方とか、お姉さんにもっと教えてもろてええか?

お絡み:友人