「LA記錄集」のお話

「LA」発売1周年おめでとうございます!!

 LAは当初pkgとして扱うかも決めておらず、御三家もどの子も思い入れのある組み合わせだったためプレー開始後ですら決まっていなく……そんな未知感マシマシの状態で始めたのがすっかり2022年のメインコンテンツになりました。
 御三家を選ぶ画面でどれにしようかな、で気力が切れた時に選んだのがフブキでした。(な、なんだってー!?)

 はとヒスイに関してはストーリー中やその後の思い出もたくさんあるのですが、今日は昨年「pkgエアオンリーフェス2022」にて頒布した設定本「LA記錄集」についての話を、せっかくの日なので纏めて語りたいと思います。

ちなみに2023年以降のイベントは「webオンリー」と名称が変わっているようです。

 設定以外でサイトの記事を書くのは初めてかもしれません。

「LA記錄集」全体のコンセプト

 

表紙はキャラのイラスト等はほぼ入れず、文字とあしらった花弁だけの超シンプル仕様です。
用紙は「しこくてんれい ゆき」で、現物はランダムで和紙調のテクスチャが入っています。

 LAは何年前なのでしょうか?まさに過去の時代の生活や街並み、言葉、道具と時代感や世界観の再現性が素晴らしい作品で異世界転生僕はすっかり翡翠の世界に没入して楽しんでいました。そのため設定の見せ方や本そのものの作りもなるべく「いにしえの記錄」が現在まで伝えられた感を出したい!というのが第一でした。「記録集」ではなく「記錄集」等あえて旧字体を使ってみたりも(これフォントや環境によってはあまり出てくれないんですよね……)。

 レイアウトは基本縦組み+横方向に長くスクロールして情報が読みやすいように(&単純に一度は作ってみたかったので)横長製本と最初から決めていました。感想をくださった方の中に「原作の図鑑のよう」とおっしゃってくださった方もいらして確かに……!と思っていました。
 古い巻物なんかもそんな感じですよね。あれです(凍土のキャプテンか?)。

 印刷的な面に関しても後述しますが、とにかく「雰囲気重視」であらゆる仕様を考えていました。

個別の語り

 キャラ個別の語り自体は、購入者様へのおまけにお付けした冊子にだいたい書き散らかしてました。おまけ冊子より抜粋&少々加筆していきますね。長いですよ。

 なお、全文再録にはまだ早いかなとは思いますが、じきに公開しなければ……なので設定に関するページのみ、此処で公開させていただきます。

サイトのページもちゃんと作るんだぞ

 上記おまけ本にさらに詳細を載せているため、これが完全に彼らの全てではありません(し、おまけ本でも容量の関係で端折っています)。ですがtwitterで上げたよりかは詳しい情報が揃っていると思うので是非見てやってくださいませ!

フブキ

 先にもちらっと書きましたが本当に御三家が決められなくて、リアルに「どれにしようかな」で選んではリセットを繰り返し、「飽きた時に選んでた子にしよう」とかいうとんでもない経緯で旅の相棒になった子でした。名前もそもそもpkgで出すかもわからず決まっていませんでしたし、最初は違う名前にしていました。妹でBW2時代のキャラ「アサギリ」との関係を考えた時に、駆逐艦の名前つながりで「フブキ(吹雪)」としました。別ゲーの初期艦も同じ名前の子でした(どうでもよい)。
 妹と似ているのは髪型のフォルム(ポニーテール、離れ離れなのでまあ……偶然の一致ですね)や対称的な位置にある泣き黒子、「スター・アイドル」方面を夢見ていた所でしょうか。現代転生してロハやビオの子たちとも仲良くなれそうですね(???)
 大ケンキは原種から一角のあしらい方が難しくて、好きなのにたびたびデザインには苦労しました。
 ちなみに中の人はRS以降長らく本編離れしていたのですが、HGで再開・BWで新作復帰し、初めに選んだ御三家が大ケンキでした。私のpkg歴内では最初の御三家です。

トモエ

 「未亡人がいい!!」と最初から勝手に拘ったHS爆の熟女。妖艶で色香と寂しさのある女性のイメージが早くから固まっていたので、初期デザインから全然変わっていませんでした。トモエの名前は初見、首の炎の形がそう見えたのでそのまま名付けました。メーカー等の名前でよく見かけるので、ついつい買ってしまいます。
 彼女は記憶を失った「流れ者」ですが、神の目線から語りますと、かつてジョウト地方で愛する夫と息子がいた本物の母でした。2人の青年をはじめ面倒見のいい所や料理の腕は名残です。同じ流れ者の青年2人は保護した当時、かつての息子と同じくらいの年頃でした。記憶はなくとも、無意識に息子を守りたい母の心が動いていたのかもしれませんね。

アルタイ

 あるぴです!あるぴ!!
 あるぴはフブキと共にトモエに保護され育てられた義兄弟のような存在であることの他、見た目以外はほぼ何も固まっていなかったため、初期案からかなり変わって今の姿や設定に落ち着きました。
 自ナイズ終了後にお騒がせした(?)過去設定、実は開催の1週間前くらいに急遽思いついたんですよ……ベルガモットの存在やデザイン自体は考えていたのですが、思っていた設定が自分の中で密かにどんでん返ししていました。
 twitterではあまり多く載せられませんでしたが、ミナとの関係や信頼感情を築いていく経緯はとても気に入っています。ちゃんとサイト作るんだぞ……!
 あるぴは無表情がほぼデフォルトですが、かえって細かい動作や発するオーラで感情がわかりやすい、おもしれー男だと思っています。稀にミナやその他心を許した相手には優しく微笑みかけることもあるようです。優しい性格は、昔のままです。

みなみ

 フブキの所で「大ケンキのデザインが~」と嘆いていた通り、とてもデザイン考案に苦労しました。「凍土の美少女」という設定条件までつけていたのでかなりのハードルが……その分、いろいろな方に好意的なお声をかけていただけて嬉しいですし、みなみのキャラデザはとても気に入ったものとなりました(作画はちょっと大変ですが)。
 一角のデザインがフブキと似ていますが、彼の簪を見て
なんとなく自分でも拵えてみたという隠れ設定があります。仲良くなってからは、自分や彼の装飾品を得意の手芸でよく作っていたり……
 フブみなは身長差が4cmしかありません。かわいいね。

カガミ

 おまけ本のド真ん中に突然の大容量で驚かれた方も多かったのではないでしょうか。私も「こいつだけ文章、長」とずっと思いながら削ったりなんなりをしていました。設定の量もそうですが、カガはLAっ子の中でも長らくデザインが固まらず、出すのも最後になった上にその後すぐ原稿モードに入ってしまい、そもそも情報を出すタイミングがなかったため詰め込む形となってしまいました。
 簡単に言うと彼は、はと翡翠の先住民「あやかし」の末裔であり、神とされたものの血を継ぐ存在でした……しかし幼少期にまもなく親を亡くしたため、自分が神に連なることを知らずただ「色違いの妖」として、物珍しさから誘拐や売買を繰り返されてきました。心が折れそうな設定ですが、ある時よひらと出会ったことが転機となり、立派に修行を重ねて現在の警ら隊員としての彼に繋がっています。
 根っこは悪を許さぬ正義漢(実力は行使しません)。「悪」を無意識に漂わせるフブキが、悪い奴じゃないとわかっていてもどこか苦手。なお巴庵のことはホラースポットだと思っているようですが、トモエを見るなりタ○シのようになってしまう……「呪われてるのかも」と本人は言いますが果たして……

あとがきは未掲載ですが、本誌ではカガがなんか言い残して「LA記錄集」を締めています。
誰がパルデアの話を吹き込んだのか……何のために……?

ミナ

 「みなみ」からの名前の音の響きが似通っていて間違えそうになります。ネーミングはほんと偶然なんです……
 ミナはまんまストーリー初期に迎えた仲間の1人で(多分最初の捕獲のあたりからいた)、気付けばずっと手持ちにいた子です。NNもあまり気にしていませんでしたが、いざ名付けるにあたり、かつて黒ロムの趣味パでエース級に活躍してくれた子(ムツキ)と同じネタでなんとなくミナ(ミナヅキ)と名付けました。既存子との祖先ー子孫関係は全然考えてはいませんでしたが、ミナは元ネタのムツキの祖先─祖父母よりもう1~2世代前になります。という事は……

 兄・カグラの(余計な)計らいにより、友人に恵まれないミナには彼の部下・アルタイが「話し相手」として毎日忠実に付き添うようになります。最初は感情表現に乏しく、タイミングや言葉を選ばず、良くも悪くも何でも話してくる彼への印象は相当に悪いものでした。
 しかし、根は心優しく頭の切れる優秀な青年であり、何よりいつもミナの気持ちや魅力を静かに読み取り尊重してくれる所に次第に惹かれていき、なくてはならない存在になっていきました。昼餉等で日中はだいたい一緒にいるので(早く正式に付き合えよ)とフブキやヒュウロから思われているとかいないとか。

トコヨ

 トコヨは君付けネタがあるように、割と育ちこそ良いけどボーイッシュで奔放な年少ポジションのつもりで考えました。シロイチと何かと対になっている感じが面白いです。
 割と声低めで落ち着いたトーンのイメージです。放つセリフは落ち着いてはいませんが……声と麗しい雰囲気だけなら、中性的な王子様っぽい独特の魅力を漂わせることもあります。……すぐ素のセリフや態度が出てきてしまいますが。なんかイメボの話が長いな。
 地元暮らし以上の刺激を求め、好奇心の向くままにムラへ降り立った彼女ですが、自身の生まれや高貴な身であること自体には強い誇りを持っています。「紅蓮の湿地」出身であることから、地味に二つ上のカガミとけっこう対称的な設定がちらほらあったりします。ここかな?と見出してくださるととても嬉しいです。
 ページ画像の漫画風コマ部分に「キング場に近い住民ほど上流階級」とありますが、ここでいう距離感は物理的距離の他に標高も含みます(厳密には湿地の偉い人しか知りません)。「深紅沼」をはじめ沼地地帯は知っての通り低い平地で住んでいる種族の治安も良くなく(実際めちゃくちゃマーキングされるわ足場が悪いわで大発生の時にはヒーヒーしました……)、下民の居住地扱いされてきた土地でした。ちなみにシュリの地域というか群れはクイーンと同族のため、地位は低くなかったそうです。

マリン

 聳え立つド陰キャ、マリン。推し種族のオヤブンを迎え入れ、めちゃくちゃ喜んだら照れ屋な性格で、可愛いのやら図体の割に情けないのやらで何とも言えないいとおしさに色々と彼のキャラに関するイメージが浮かんできました。ちなみに固定シンボルは強すぎる上出現地を知らなかったので迎えてはいませんでしたが、ストーリー中に出会ったマリンは群れの中でランダム出現する子でした。運命。
 マリンに関しては同じ土地ということで初めからハシュカと縁のあるキャラとして考えていました使いまわ……デザイン的な共通点を持たせつつ、ハシュカ以外の472の子っぽい要素も少し混ぜてみた感じのビジュアルです。そしてオヤブン身長ゆえ細長い。ハシュカは彼からすれば一応子孫か親族の末裔のような子だと考えていますが、顔つきや性格、そして身長があまりにもかけ離れていますね(オヤブンの概念がなくなったとはいえ)。
 現代に至るまでの間に何があったんだ……
 おまけ本では彼らのデザイン共通点を軽く挙げていますが、これも何となく思い馳せていただけると嬉しいです。

シロイチ

 彼に関しては設定本の本体でお伝えしたいことがかなり網羅できたのでは……と思っています。イラストでの詳細説明はお見せしていませんが、メガネを外してみるとけっこう顔が整っているんです。
 シロイチは年若いため、良い面も未熟な面もひっくるめての彼というキャラだと考えているのであえて若干厳しい表現も入れました。「憧れ」だけで終わらせない、彼自身の成長はひじょうに楽しみです。見た目的にも。
なお「シロイチ」という独特なネーミングについてですが……そもそもLAの調査隊メンバーは私がpkgの世界に参入し始めた当時にやっていたB(ブラック)の飛行パーティと顔ぶれがダダ被りしていたことから、祖先ないしセルフパロディ系なキャラの集団にして「LEGENDS はとpkgワールド」みたいにしてやろう……と思ってデザインや名前を考えたのですが、本名「クロイツ(通称はヲグリ)」のリージョン同族ということで、「クロ↔シロ」+「イツ→イチ(イチで終わるとなんか古い時代の男の子っぽい?)」って感じでつけました。特に祖先とかではないです。
 名前ごともじっていない子も半分くらいはいるのですが、シロイチはちょっと捻った由来だったので紹介してみました。

ヒュウロ

 同族を連れた方はわかると信じますが、道中ものすごく彼女の技や能力が役に立ちました。設定はほぼ道中の印象から取っています。働きすぎはよくない。
 なおシロイチに続いて名前の由来はというと、かえってなんも思いつかなくてオバケだし「ひゅ~どろどろ」の音から取りました。ネーミングに特に規則性はないんです……。漢字では「飛有呂」ですが「呂」が音系の意味を持つので、夜に現れる時は意味深なSEでも流れていそうです(ゲームでも流れますね)。
 割と着込んでいる子たちの中でも布が少ないのと相当メリハリのある体型なので、油断するとすぐセンシティブになる姐さん……
 ヒュウロはトモエの一番弟子で信頼されており、フブキの姐さん役として彼の面倒を見るよう頼まれています。その他、巴庵の仕事や普段の生活の面でも頼りにされており、居なくてはならない存在となっています。トモエは色々あって、じきに翡翠の世界を離れて皆の元からも姿を消してしまうのですが……そこからは後述のたまおとそれぞれ、別の道を歩みながらトモエの意思を継いでいくこととなります。ヒュウロの場合はムラに残り、呪術師としてのトモエの役割を引き継ぎつつ生活を続けていきました。とある人と結婚もしましたが、それは追々お話できたらと思います。

たまお

 ページ画像の中で一瞬チラッとだけ書きましたが、たまおも妖の血を引いています。猫耳は右側のみ。(はと翡翠の)天冠は治安も教育水準も比較的良い地域で、たまおも見た目の印象以上に教養のある猫女です。
 頭は良いものの、天冠での生活に嫌気が差してふらふらしていた自分を拾ってくれたトモエにとことん尽くす。地方出の妖の縁者ということでカガミと境遇が似ていますが、たまおは向こうをトモエに近寄る害虫ドブネズミだと思っていつも強硬に突き返します。こっちは猫だし……(ただしトモエにはべったり。トモエと同族なのに……)彼にとってはトモエ以上に親密度を上げるハードルが高い相手です。
 キャラとして出す余裕がありませんでしたが、たまおの他にも翡翠ニュラと通常ニュラの色違いの男の子たちと出会っており、たまおの子分にしたいな~と考えていました。
 なおトモエがいなくなってからはジョウト地方へ移り、ジョウトで「巴庵」の後続となる店舗で商売を始め、トモエの意思を受け継いでいったようです。

カンバヤシ

 カンバヤシ先生はパッと見と中身の差が大きく、解説したいことも多いのでほぼおまけ本で語った内容を転載しますね。はと翡翠では温厚な医者の先生なのですが……
 カンバヤシ先生は元々は医療者として活躍すべくムラへ下りたはずでしたが、(彼の一族の者はみなそうしてきました)医療知識をもとに裏の仕事を多数遂行し、鳥伐隊が暗殺部隊としてその名を噂されていた時期に、不本意な形で活躍することとなりました。
 ページ画像の通り、「人を救う」知識と技術があるのに日々何をしているんだ……という罪悪感に苛まれながらも上官として隊は先導していかねばならない。だんだん心をも自ら殺していたのかと思われますが、病に伏した妻を、隊の任務が多忙ゆえ自身で看病できずに最後を看取ることも叶わなかったという出来事で一気に自分の在り方やこれまでしてきた仕事に疑問を抱くこととなりました。そして大きな後悔も……鳥伐隊そのものを続けられないと、本来の領域である医師の道を再び希望し隊長を辞した彼は、隊長の職務に加え、鳥伐隊を変えてほしいと後任隊長のよひらに伝え、託しました。
 あるぴのことは保護した日からずっと気にかけており、自身がかつて在籍した鳥伐隊へ配属が決まった時は誰よりも心配しつつ期待もしていたそうです。
 ちなみに立ち絵はちゃんと開眼していますが、普段は糸目でいることが多いです。服スローが残った感じです。

よひら

 よひらは見た目からそのまんま、自宅シャイP(現代)オルタンシアの祖先にあたります。流石にオヤブン要素は失われましたが。設定上の年齢は10歳以上離れている上よひらは家庭も持っているので、よひらの方が見た目的にも精神的にも落ち着いているイメージです。あじさいの髪飾りは昔から。代々伝わったものなのでしょうか。個人的に「勇敢な性格」なのがとても好きです。将来的には、ヒスイ~シンオウを近代民主的な方向へ引っ張っていく先導者となったようです。
 よひらは群青の海岸の名のある家に生まれ、オヤブンの素質を見出され強かな女性に育ちました。警ら隊に入隊しつつ、家同士の繋がりで結婚もしてそのまま家庭を守る妻になるかと思いきやそこら辺の男子隊員以上にバリバリ働き功績を上げ、いつかはヒスイを良き方向へ導き変革するという夢を持ち続けていました。
 「女性の出世や社会進出」の要素をかなり盛っているキャラで、元々の理念とともに古き翡翠に近現代的な概念を持ち込んだキャラという立ち位置にしています。
 カガミとの出会いエピソードは一切出せずに本が初出という始末ですが、自宅全体でも珍しくしっかりした主従関係で、何なら旦那より信頼しているまであるちょっと不思議な関係です(そもそも息子のことは愛していますが、旦那とは正直あまり仲良くない模様)。

カグラ

 カグラはミナの兄であり、ミナを考えた時点から「兄がいそう」と思って脳内で温めていました。
(ミナの元ネタのムツキも、妹のいる兄なので)。顔つきはこちらの方がムツキっぽいです。直接の祖先ではありませんが、顔はおそらく家系でしょう。
 ちなみに「兄がいるなら色違いがいいな」とボンヤリ考えていましたが、特に狙うこともなく偶然原野ベースから飛び立って数秒でキラリン☆と現れてくれたのでもう運命でした。
 スカバイでSEなくなったの悲しい。凝視しないとわからない色違いもいるのでね……でもSEが鳴ったとしても壁に埋まってたりもするので厳しいですね。話がそれた。
 普段は鳥伐隊副長として隊員を纏め、凛として統率する男性ですが、妹のこととなると過去のいきさつもあり大変心配性のおせっかいで空回り兄貴に。アルタイの前に妹に紹介した隊員も多いのですが、ミナはまあ男嫌いが強かったのですぐ決裂してしまいミナ・隊員双方からの苦情に挟まれたこともしばしば。SSRの男子はすぐそばにいたんですね。

シュリ

 誰デザでお披露目した子です。同族のお子さんは既に可愛らしい方が多く、衣装もネタが限られそうなので心配でしたが、かなりいい感じのキャラデザと設定になったのではと思っています。
 くのいち風は考えた経緯こそちょっと失念してしまいましたが、翡翠ドレにギョウジャニンニクの要素があることから、そのへんは絶対に取り入れたいと思ってクスリソウを担ぐ女性になりました。ギョウジャニンニク、餃子や焼肉で合わせて食べるのがすごく好きでして……脚の美しさも外せなかったので、格闘タイプの追加もあり、アクティブなイメージも持たせようと脳内で化学反応を試みた結果が彼女です。
 シュリは医療班以外に特に所属や関わりがないため、相関図もカンバヤシ先生にしか矢印が向いていませんが、先生と合わせてきっと誰もが一度はお世話になっている筈です。特にフブキ・あるぴのドラ息子2人組。任務で無茶や失敗により担がれて来ることがしばしばあるのでちょっと呆れ気味です。一見クールですが根は心優しいので、厳しく見えてもちゃんと相手の為を思っていたりします。マスクや態度から読み取りにくいのですが。

全体の仕様や進捗について・用紙選定・ノベルティ

全体の仕様

A5(横長製本) フルカラー44ページ
印刷所:大阪印刷株式会社様(無線綴じA5サイズ【横開き】、デジタルオフセット印刷)
用 紙:表紙…しこくてんれい ゆき 180kg / 本文…上質紙 110kg
遊び紙:江戸小染・はな うすあい(前後)

制作開始からのあれこれ

 翡翠の設定本を作ろう!と思い立ったのはおそらく2022年春先だったかと思います。それこそオンラインイベントへの参加を決め、別の「トカサンのほん」の制作は開始していたのですが「ちょっと頑張って2冊作ってみたい」という欲が出て、翡翠本の方も並行して作業することになりました。
 秋のイベントに間に合うか受注方式にするか、どちらにせよ秋の入稿と全体の必要な作業量(「トカサンのほん」とも合わせて)から逆算すると、夏のうちからコンスタントに衣装詳細などの部品を作っていかなければ間に合いませんでした。なので7月頭に最後の翡翠新規っ子たちを出してから「ここまでは本に入れる」とし、本格的な作業開始としました。お陰様で季節物の絵や企画にほとんど乗れなかったので、今後はその辺りのバランスも考えていこうと思います。

 そこまではレイアウトおよび何を入れるか(設定文?ちょっとした情報?画像での詳細はどんな形で?等)を決め、7月からはそれに基づき個別の部品を作っていきました。ペースはこの週までに何人とか、順番も書きたいと思った子から、等ガッチガチになりすぎないようにしました(ただでさえ原稿作業は心が苦しいので、できるだけ必要以上に枷を作りたくなかった)。
 まあまあ大変でしたけど、こういう作業ってやっぱり揃った時の脳汁が半端ないのでやめられないんですよね……

 LA本では、個人的な仕上がりの確認のため事前の試し制作をしました。ただ、納品次期が遅くなったため試し制作の意味をなさなかったのですが……
 試し制作はRED TRAIN様(ONE BOOKS)にて1冊のみ注文しました。8月末に一通り形にして、簡易的な試作データを入稿しましたが、1冊のみの注文は納品までに相当な時間がかかってしまい、本番の入稿までに待てなかったため結局入稿した後に試作品を手に取る、という事態になってしまいました。
 今度からはもうちょっと計画的にやろうね!もっとも横長製本でなければコンビニの面付け出力で事足りますし、今回は知識不足と仕様の特殊さがアレだったんですね……
 注文時の仕様は本文・遊び紙を色上質紙(本番じゃないので適当です)、本文を上質紙90kgとしました。仕上がりはとても綺麗で、オンデマンド印刷で文字や印刷製本した見栄えさえ確認できればオッケー程度に考えていたのですが、全然これで頒布してもいいくらいに綺麗でした……!
 元々はと翡翠の子たちは色味的に印刷負けの心配はしていなかったものの「オンデマンドのテカっとした質感で出力されるのはなぁ」という理由で本番の印刷はデジタルオフセットの業者にしたのですが、上質紙に全面オンデマンドでも程よくスルッとした質感で正直気になりませんでした。むしろこれはこれで好きでした。今度何か作る時はまた利用しようと思ったくらいです(回し者みたいですみません)。

 試し制作の本の納品よりも先に本番データを入稿しないとイベントに間に合わせられない(別に予約のみとして頒布を遅らせてもよかったのですが、周りで予約や頒布を開始するフォロワーさんも増えてきてその……せっかち故に我慢できませんでした)と判明したため、試作本を待たずに大阪印刷様へ入稿しました。ノベルティ類もシール以外はほぼ同社に注文したものです。
 上でオンデマンドもかなり綺麗と書きましたが、インキの染み込みがオフセットと近いデジオフの「なじみ」感がいいですね……正直な所デジオフと横長製本を両立できそうな業者を1社しか見つけられずほぼ業者さんは確定のようなものでしたが、本では一番利用していることもあり、仕上がりはかなり狙った通りのものとなりました。

表紙、本文の用紙選定

表紙・遊び紙

 まず「和風の雰囲気を損ねないもの」と考えていたのでかなり候補は絞れました。シンプルな表紙で、紙そのものの質感を活かしたいと思い、和紙調の「しこくてんれい」に決まりました。
 別候補としては「ディープマット」に文字と白版抜きでテクスチャのみ入れるものも考えましたが、「フブキっぽい装丁」にもしたかったのでちょうどいい色がなく、断念しました。高くなるし
 テクスチャを殺さない程度の色を引いて、仕上がりでぶっつけ確認することとなりましたがわりとちょうどいい感じに出来上がっていて良かったです。PP加工無し故に角が白くなりやすいのがちょっと微妙ですが……それもまた「記錄集」の味ということにしておきます。

 ちなみに、背の真ん中くらいに桜がちょこんと入る作りになっています。可愛こぶりました。

 表紙よりも真っ先に決めたのが遊び紙でした。というより「フブキっぽい装丁」!!と真っ先に「江戸小染・はな うすあい」を使ってやると決めていました。雰囲気たっぷりになったんじゃないでしょうか……(親馬鹿)

本文

 上質紙とモンテシオンで入稿ギリギリまで迷いましたが、上質紙にしました。モンテシオンも好きなのでいつかは使いたいです。
 仕上がりが青みがかった感じに見受けられたのでモンテシオンでもよかったかも?と思わなくもないですが、ベースが黄色みがかったテクスチャなので色味が予想できず、上質紙を選びました。設定ページも綺麗ですが、「ぎゃらりぃ」の白場がしっかり生きているのが好きです。個人的に純粋に、本文上質紙のデジオフ本が好きで作りたかったのでその点でも今回本を作ることが出来てよかったです。

ノベルティ

【共通ノベルティ】色あせた写真風イラストカード

 元は御三家男子トリオの絵でポストカードに使用したものですが、「この本が過去の記録である」ことを印象付けるため敢えて入れてみました。特に用途はない、完全「ふんいきグッズ」です。
 印刷はオンデマンド印刷名刺、用紙は「里紙 しろ」です。こちらはやっぱりちょっとテカりましたね。

【共通ノベルティ】コレクションシール フブキ・アルタイ・カガミ

 こちらのみ、PRINT-ON様の「SSサイズシール」で制作しました。「トカサンのほん」と一緒に入稿したものです。
 翡翠がpkg世界のいわば「レトロ」なので、ノベルティもある種レトロにしてやろう!と思い、○ックリマンシール風にしてみました(元ネタは現在でも絶賛発売中ですが)。二つ名はそれっぽく、適当につけてみましたが若干チープな感じが味だと思いました。シール用紙は複数種類から選べましたが、迷わず「ホログラムペーパー モザイク」にしました。この手のグッズのホロで一番雰囲気があると思ったので……

【別商品】イラストポストカード

 全4絵柄、用紙は2絵柄が「羊皮紙 雪(デジオフ印刷)」、もう2絵柄が「NTラシャ スノーホワイト(オンデマンド印刷)」でした。元々羊皮紙でお試し的にポスカを作って本の無料ノベルティにしようと思っていたのですが、印刷数が本の部数に対して足りず、刷り足すにも部数的に厳しくなってしまったため、急遽オンデマンドで絵柄を追加した別アイテムとして頒布したものです。
 オンデマンド印刷の2絵柄は本の扉絵と御三家男子の集合絵を流用していますが、ポストカード専用に鮮やかに加工しているため、本に収録の同じ絵とはちがった雰囲気となっています。

さいごに

 は~~話が長い!
 今まで本やグッズの制作は何度かしてきたものの、こうした形で纏めたことがなかったのでとても楽しく振り返ることができました。そして技術的なことはあまり書いていませんし一個人の書き散らし文章ではありますが、何かしら今後紙の本やグッズを作りたい方の参考になれば幸いです。

 課題として、フブキやカンバヤシ先生のように見開き左側に設定が来る子のノドのアキ感覚が心配だったのですが、やっぱりちょっと狭かったかな?と思いました。何回作ってもどの程度マージンを取れば安全なのか、中々掴めませんね……

 ただ全体的にこの本でやりたかったことはほぼ出来たと思うので、満足の1冊となりました!!本を手に取ってくださった方々には改めまして御礼申し上げますし、それ以外の方でもはと翡翠に興味を持ってくださったのならばそれだけで嬉しいです。
 本のあとがきにも記載した言葉ですが、一人でも一つでも、好きな子や設定を見つけていただければ幸いです。

 ここまで長々とした記事となりましたが、お読みくださった方々、本当にありがとうございました!!パルデアでもよろしくな~!!